売上拡大の光と影

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以前のことですが

思い出したので

書いておきます。

ある会社の社長は

「売上はすべてを凌駕する！」

と言ってひたすら売上拡大に走り

経営が傾いたという話です。

その社長は二代目でした。

先代から事業を引き継いだ当初

古参の社員に力を示そうと

アイデア商品を開発したり

顧客を新規開拓したりして

売上を伸ばしました。

この時は売上を伸ばせば

利益も増えていました。

結果を出すことで

古参社員も世間も社長を認めました。

これまでにない

商品の見せ方や売り方をして

社長は業界でも有名になり

取材を受けたり

講演依頼が来たりしました。

売上をさらに伸ばそうと

製造能力を飛躍的にアップさせる

大型の設備投資を行いました。

しかし、

これを境に業績が悪化します。

売上は伸びました。

でも利益は増えませんでした。

そこで社長が何を考えたか？

「たたき売りでもするか！」

つまり安売りです。

売上がすべてを凌駕する

という信念だったので、

業績不振を脱するには

さらに売上を拡大するしかない！

と考えたんです。

売上はさらに伸びましたが

利益はますます減って

赤字になりました。

社長は何が正解なのか

分からなくなってしまいました…。

売上拡大をして業績を伸ばし、

売上拡大をして業績を悪化させた。

何が違ったのでしょう？

前半の売上拡大は

商品価格を下げずに

販売数量を増やすことで

売上拡大をしていたんです。

売れば売るほど

粗利益は増えるので

経常利益も増えました。

固定費も増えたかもしれませんが

それ以上に粗利益が増えたんですね。

後半の売上拡大は

商品価格を下げて

販売数量を大幅に増やすことで

売上拡大をしたんです。

値下げしているので

１個当たりの粗利益は減ります。

販売数量を増やしても

粗利益総額は増えるとは限りません。

もし粗利益総額が増えたとしても

製造数量、販売数量を増やすために

固定費が増えています。

固定費の増加を補えるほど

粗利益が増えなかったら

経常利益は減ってしまいます。

大型の設備投資をしたことで

固定費が大幅増になっていたので

経常利益は赤字になってしまったんです。

このことを説明されて

社長は一応の理解をされましたが

真の理解はされなかったと思います。

社長は感覚の人でした。

感性と体験が社長を形成していました。

社長が若くにMGに出会って

MGをやっていたら

結果は違っていたと思います。

MGはゲームで

濃縮した経営体験をします。

社長が実際に取った行動を

ゲームでそのまま試して

これから起こる結果を

見ることができるんです。

勘の良い社長だったので

ゲームで体験したら

自分の間違いに気づいて

自ら軌道修正することも

できたと思います。

ご病気をされて

経営の一線から引いておられるので

もうMGをされることは

ありませんが…。

こういう方を一人でも

なくしたいと思って

コッカラMGを開催しています。

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