目の前の人の喜びにつながる仕事を求めて

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自分史シリーズ、4回目。

会計監査という仕事は

株式市場の秩序を守るために必要な

社会的意義のある仕事ですが

目の前の人の喜びや感謝に

つながる仕事ではありません。

監査の現場で目の前にいるのは

クライアント企業の経理部の人です。

経理部の人は会計士からの

これを見せてください

これは何故こうなっていますか？

などの依頼や質問に

応じなければなりません。

監査対応で

日常業務を邪魔されるので

面倒くさいと思います。

会計士は会計士で

間違いはないか？

これで合っているか？

と疑いや批判的な精神をもって

仕事をせねばなりません。

会計監査はマジメにやるほど

精神的なタフさが要求される

仕事です。

それに疲れたというか

目の前の人の喜びに

直結する仕事をした時に

やっぱり人の喜びが見える仕事は

やっていて楽しいなぁ！

と思ってしまいました。

大手の監査法人を退職して

地元の京都に戻って来て、

小さな監査法人で

仕事をした時のことです。

ちょうどその頃

リーマンショックが

起きていました。

世の中が不景気になって

中小零細企業の資金繰りが

たいへんなことになってきます。

このままでは

倒産する中小企業が続出して

日本経済が崩れてしまうので

救済措置が取られます。

その当時、にわかに

会計業界で発生した仕事が

事業再生業務です。

資金繰りが苦しい中小零細企業の

事業計画・財務計画の作成を

手伝う仕事です。

この計画を銀行に提出して

認められれば

追加の借入や返済条件の緩和を

受けられるというので

会社の社長さんも前のめりです。

目の前の人と利害が一致して

その人の役に立つ仕事。

僕は事業再生業務に

仕事の面白さを感じていました。

同時に

言葉は悪いですが

中小零細企業のレベルの低さ

を感じていました。

すべての中小企業が

そうではないと思いますが

成り行き任せで経営している。

会社の利益のことを

分かっていない。

事業再生で関わる会社には

そんな会社、そんな社長さんが

多くありました。

事業再生計画で

資金繰りが改善されても

一時的で終わってしまう。

時間が経つと

また資金繰り難に戻る。

事業再生計画作りのサポートでは

大流血している傷口に

絆創膏を貼っているようなもんだと

思うようになりました。

次に続きます。

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